ベトナム北部には、手付かずの自然が残る絶景が隠されています。その1つが、中国との国境に位置する「バンゾック滝」です。
この記事では、その壮大な滝の魅力から、周辺観光スポット、アクセス方法、ツアーの選び方まで、バンゾック滝を堪能するための完全ガイドをお届けします。日常を忘れさせるほどの大自然を見たい方は、ぜひ参考にしてください。
はじめに:ベトナムの秘宝「バンゾック滝」とは?

ベトナム北部の中国との国境に位置するバンゾック滝は、アジア最大級の壮大な滝です。
高さ 約50m、幅約300m という迫力のある滝は、階段状に流れ落ちる水しぶきが息を飲むほどの美しさで「世界で最も美しい滝21選」として選ばれています。
バンゾック滝は手つかずの自然が残る秘境として、近年注目度が高まっています。ただし個人でのアクセスが困難なため、ツアーでの訪問がおすすめです。
バンゾック滝は中国との国境にある
バンゾック滝は、ベトナム北部のカオバン省と、中国南部の広西チワン族自治区との国境にまたがる、非常に珍しい滝です。この滝は、クアイソン川(中国語では帰春河)を境に両国が共有しており、アジア最大級の規模を誇ります。
滝自体が国境線となっているため、ベトナム側と中国側でそれぞれ異なる景色を楽しむことができます。かつては国境を越えることは厳しく制限されていましたが、近年では両国政府による観光協力の取り組みが進み、特定の条件下でクロスボーダー観光が可能になりました。
中国国境近くへ行く場合は、入城許可証が必要です。ただ、入出国管理局で即日の取得が可能です。
バンゾック滝へのアクセス方法
バンゾック滝へ行くには、以下のようなアクセスが基本です。
- ベトナムの首都、ハノイから車で約4~6時間で「カオバン」へ
- カオバンからツアーバスや寝台バスにて6~7時間でバンゾック滝へ
バンゾック滝へ行くには、まずハノイから高速バスに乗りカオバンへ、その後また6時間ほどかけてバンゾック滝へ向かいます。かなりの長旅になるので、2泊3日のツアーなどを利用したほうが良いです。
まずはハノイからカオバンへのアクセス方法を見ていきましょう。
ハノイからカオバンへのアクセス方法

ハノイからバンゾック滝があるカオバン省へのアクセスは、主に長距離バスやツアーバスを利用します。鉄道はカオバンまで通じていないため、バスが最も一般的な交通手段です。
バスの場合
乗り場所 | ハノイにあるミーディン・バスターミナルから。6時から21時の間に1~2時間の間隔で運行している |
所要時間 | 6~7時間 |
料金 | 約20万ドン(1500円~) |
ただし現地のバスは時間通りに発着することも少なく、長時間乗る割には快適性には不安があります。安心してカオバンまで行くにはツアーを利用し、そのバスに乗ったほうが安心です。
ツアーバスの場合
乗り場所 | ハノイ各ホテル、もしくは集合場所 |
所要時間 | 4~5時間 |
料金 | ツアー料金に含まれる |
ツアーバスであれば長距離バスのチケット購入、ターミナルへの移動、バンゾック滝へのアクセス手配など、全てツアー会社が行ってくれます。 よほど海外旅行に慣れている人以外は、ツアーを利用するのがおすすめです。
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カオバンからバンゾック滝へのアクセス
カオバンからバンゾック滝へはローカルバスが発車しています。
乗り場所 | カオバン・バスターミナルから |
所要時間 | 約3時間 |
料金 | 約7万ドン(600円~) |
ただしこちらも現地でのバスの予約が必要であり、時間通りバスが来るとは限りません。
その点ツアーなら滞在しているホテルから直接バンゾック滝へアクセスできるうえ、ツアー専用車なので快適に過ごせます。
またツアーによってはクルーズ船で周辺の湖を遊覧したあと、バンゾック滝へ向かうといったさらに充実した内容になっています。
絶景を巡る!バンゾック滝ツアーの詳細

バンゾック滝のツアーは秘境にあるため、2泊3日のツアーが多いです。概ね以下のようなスケジュールになっています。
日程 | スケジュール | 移動時間 |
1日目 | 日本からハノイへハノイ到着後専用バスでカオバンへ移動カオバンにて宿泊 | 日本からハノイまでは約5時間半ハノイからカオバンへ約4時間30分 |
2日目 | 自然の最大湖バベー湖をクルーズ午後バンゾック滝へ移動バンゾック滝周辺にて宿泊 | クルーズ観光からバンゾック滝へ約6時間 |
3日目 | バンゾック滝や鍾乳洞を見学観光後ハノイへ | バンゾック滝からハノイへは約8時間 |
秘境にあるバンゾック滝は移動時間が長いため、3日のツアーを利用したほうが安心です。
ツアー料金は概ね7~9万円です。パッケージツアーには送迎、宿泊、食事、ガイドのサポートなども含まれています。
ここからは、ツアー日程の詳細について見ていきましょう。
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バンゾック滝ツアー:1日目
日本からハノイへは約5時間半のフライトです。その後専用バスが空港までお出迎えに来てくれます。
ツアーなら煩わしい乗り換えや移動の手配は一切不要で、そのままカオバンへ直行します。ハノイでの乗り換え時間を気にせず、約4時間半の快適なバス移動中に旅の疲れを癒せます。
カオバンに到着後はすぐにホテルへチェックイン。翌日からのバベ湖観光に備え、ゆったりと体を休めましょう。
到着日の移動ストレスを最小限に抑え、ベトナムの秘境を満喫するための理想的なスケジュールです。
バンゾック滝ツアー:2日目
秘境の旅2日目は、ベトナム最大の天然湖、バベー湖の壮大な自然からスタート。約時間のクルーズでは、原生林に囲まれた神秘的な景観を堪能できます。多様な動植物が生息する手つかずの自然の中で、心ゆくまでリフレッシュしましょう。
午後はいよいよハイライト、中国との国境に位置するバンゾック滝へ移動します。
その道中では峠の景色を鑑賞し、少数民族の村に立ち寄ります。築100年以上の古民家が残るなどユニークな建築物を見学しましょう。
滞在予定のホテルは「SAIGON BAN GIOCホテル」です。このホテルはバンゾック滝から非常に近いため、ホテルから滝を望むこともできます。
バンゾック滝ツアー:3日目
旅のハイライト3日目は、いよいよ「バンゾック滝」と「グオムガオ鍾乳洞(Nguom Ngao Cave)」の見学です。
午前中に、アジア最大級の壮大なバンゾック滝観光を満喫します。ここでは竹でできたイカダに乗り、水しぶきがかかる滝の近くまで行くことができます。
その後、神秘的な光景が広がるグオムガオ鍾乳洞の幻想的な世界へ。自然が織りなすアート作品のような鍾乳石群は必見です。
観光後は、専用車でハノイへの帰路へ。最終日も効率よく観光地を巡り、充実した形で旅を締めくくることができるでしょう。
バンゾック滝ツアーの申し込みは、ぜひこちらのサイトから申し込みください。
バンゾック滝の基本情報と圧巻の見どころ

バンゾック滝を見学する前に基本情報を押さえておきましょう。
滝の大きさ | アジア最大級の滝、世界では4番目にあたる |
ベストシーズンは? | 雨量の多い5~9月は特に迫力がある |
見どころ | 全体像を見るのはもちろん、イカダに乗り水しぶきがかかる付近まで行くのもおススメ |
滝の最も迫力ある姿を見たいなら、雨量の多い5月から9月頃が特におすすめです。
この時期は水量が増し、轟音を響かせながら流れ落ちる水しぶきが圧巻です。どのシーズンでも楽しめるエリアですが、迫力のある滝を見たいのなら夏のシーズンを狙いましょう。
バンゾック滝ツアーで訪れるべき周辺の必見スポット
バンゾック滝周辺には滝以外にも魅力的なスポットがあります。
壮大な滝の迫力もさることながら、手付かずの自然が創り出した神秘的な鍾乳洞や、歴史的な意味を持つ場所、そして少数民族の文化に触れられる村々など、見どころが満載です。
ここからはバンゾック滝ツアーでぜひ訪れておきたい周辺の必見スポットをご紹介します。
神秘の鍾乳洞「グオムガオ洞窟」

バンゾック滝から手前3㎞の山中にある洞窟です。グオムガオ洞窟は、ベトナム北部カオバン省が誇るもう一つの必見スポットです。
その名はタイ族の言葉で「虎の洞窟」を意味し、かつて虎が棲んでいた、あるいは洞窟内の水の流れる音が虎の咆哮のように聞こえたことに由来すると言われています。
グオムガオ洞窟は、その奥行きと広大な空間が特徴です。洞窟内部には、長い年月をかけて自然が創り出した多種多様な鍾乳石があり、ライトアップによってさらに幻想的な雰囲気を醸し出しています。まるで別世界に迷い込んだかのような、息をのむような光景が広がります。
ベトナム最大の天然湖「バベー湖」

ベトナム北部、カオバン省の南に位置するバックカン省に広がる「バベー湖」は、ベトナム最大の天然湖です。その美しい景観と豊かな生態系から、ベトナム初のラムサール条約登録湿地にも指定されています。
ツアーの多くは2日目にボートで周遊することができ、湖に点在する小さな島々や、水面に突き出た岩山の間を進むことができます。水上からは、陸上とは異なる角度で湖の雄大さを感じられ、水面に映る周囲の景色はまさに絶景です。周辺の国立公園と共に、手つかずの自然が残る秘境として多くの旅行者を魅了しています。
ダイヤモンド型が特徴「タンヘン湖」
カオバン省から中国国境方面へ約30km進んだ場所に、独特の魅力を放つ「タンヘン湖」があります。この湖は、上空から見るとまるで巨大なダイヤモンドのような形をしているのが特徴です。
タンヘン湖は周囲を石灰岩の雄大な山々に囲まれ、季節によってその表情を大きく変えます。特に雨季には、地下水脈を通じて周辺の大小36もの湖と繋がり、広大な湖面を形成。季節によって水位が大きく変動するという珍しい特性を持っています。
ホーチミンが暮らした「パックボー遺跡」
パックボー遺跡は、ベトナム革命の父、ホー・チ・ミンがフランスからの独立運動を指揮するために、海外亡命生活を経て最初に身を隠した重要な場所です。中国との国境に近いカオバン省の山中に位置しています。
この地は、ホー・チ・ミンが独立運動の拠点とし、ベトナム革命の戦略を練った場所として注目されています。彼が滞在した洞窟や、革命思想を練ったとされる泉、そして彼が魚を捕ったとされる小川など、ホー・チ・ミンの当時の生活を偲ばせる場所が保存されています。
バンゾック滝における旅行の注意点
バンゾック滝は中国との国境地帯という特殊な立地から、いくつかの注意点があります。快適で安全な旅行のために、以下の点を確認しておきましょう。
また、ベトナム旅行全体に関する注意点については伏せて以下も参考にしてください。
滝付近のホテルに滞在する際には許可証が必要
バンゾック滝はベトナムと中国の国境地帯に位置しており、特に滝に近接するエリアは「国境管理区域」に指定されています。そのため、滝のすぐ近くにあるホテルや宿泊施設に滞在する場合、外国人旅行者には特別な許可証が義務付けられています。
この許可証は、ツアー会社が宿泊許可証の手配を代行してくれるのが一般的です。しかし宿泊当日に思いがけず時間がかかるケースもあるので考慮しておきましょう。
また個人で取得するには手続きが煩雑で時間もかかります。
個人旅行の場合は事前にホテルの予約時に許可証の要不要と取得方法を必ず確認し、間に合わない場合はカオバン市内での宿泊を検討しましょう。無許可での滞在はトラブルの原因となるため要注意です。
少数民族には会えないこともある
多くのバンゾック滝ツアーの2日目には、滝への移動中に少数民族と出会うプランも組まれています。しかし状況によって必ずしも少数民族に会えるとは限りません。
多くの少数民族は農村部に暮らしており、観光客向けのプログラムがない集落もあります。また、日常的に観光客と接する機会が少ないため、言葉の壁や文化的な配慮も必要です。
ツアーによっては少数民族の村訪問が組み込まれていることもありますが、これはあくまで観光用に一部が公開されている場合がほとんどです。偶然出会えたとしても、彼らのプライバシーを尊重し、無断での写真撮影などは控えるようにしましょう。
行動・写真・ビデオ撮影を制限されることも

バンゾック滝は、国境の最前線に位置するため、特定の場所での行動、写真撮影、ビデオ撮影が制限されることがあります。これは、主に国家安全保障上の理由によるものです。
例えば国境を示す境界標や、兵士、軍事施設などが視界に入る場所では、撮影が厳しく制限されます。これらの場所での無許可の撮影は、逮捕や機材没収などの深刻な事態に繋がりかねません。
また観光客が立ち入りを許可されていない区域には、絶対に足を踏み入れないでくださいロープや標識などで規制されている場合は、指示に従いましょう。
ツアーガイドがいる場合は、彼らの指示に従うのが最も安全です。ルールを守り、節度ある行動を心がけましょう。
バンゾック滝ツアーに関するよくある質問
最後にバンゾック滝ツアーに寄せられる多くの質問についてお答えします。内容を確認し、素敵な旅行になるよう備えましょう。
Q1: バンゾック滝ツアーは何日間がおすすめですか?
バンゾック滝はハノイから距離があるため、2泊3日のツアーがおすすめです。弾丸で1泊2日という選択肢もありますが、移動時間が長くなるため、体力的な負担が大きいです。
2泊3日のツアーなら、1日目にハノイからカオバンへ移動・宿泊し、2日目にバベー湖のクルーズ船観光。午後にバンゾック滝へ移動し、3日目にバンゾック滝と周辺の鍾乳洞や湖をじっくり観光してハノイへ戻れます。
これにより移動の負担を軽減しつつ、秘境の自然や少数民族の文化を十分に満喫できます。
Q2: 一人でもツアーに参加できますか?
はい、一人でもツアーに参加することは可能です。多くのツアー会社では、一人参加を受け付けています。
ただし、ツアーによっては最少催行人数が設定されている場合や、一人参加の場合に追加料金(一人部屋利用料など)が発生することがありますので、予約時に必ず確認しましょう。
Q3: ツアー料金以外にかかる費用はありますか?
飲み物代や個人的な買い物、チップ、ツアーに含まれない食事代、オプションのアクティビティなどは別途費用が必要です。
また日本からハノイへの航空料金は含まれていないツアーが多いので注意しましょう。さらに国境地帯の宿泊許可証が必要な場合、ツアー料金とは別に必要なケースも多いです。
Q4: 現地での服装や持ち物に注意点はありますか?
服装:は動きやすく、速乾性のある服装がおすすめです。鍾乳洞内は涼しいので、薄手の羽織るものがあると良いでしょう。
滝の近くでは水しぶきがかかるので、濡れても良い服装やレインコートがあると便利です。また鍾乳洞内や滝周辺は滑りやすい場所もあるため、歩きやすく滑りにくい靴が必須です。濡れても良い歩きやすいサンダルか、トレッキングシューズがおすすめです。
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Q5: 天候によって滝の様子は変わりますか?

はい、天候によって滝の様子は大きく変わります。晴れた日には虹が見えて素晴らしい景色が見える一方、雨の日は滝全体が白っぽくなり、写真を撮るには少々不向きです。ただしどの天候でも壮大な滝には変わらないので楽しめます。
特に雨季(5月~9月)は、雨量が増えるため滝の水量が増し、より一層の迫力と壮大さを感じられます。一方で、乾季(10月~4月)は水量が比較的少なくなり、穏やかな姿を見せます。どちらの季節もそれぞれの魅力がありますが、迫力を求めるなら雨季がおすすめです。
Q6: バンゾック滝周辺で宿泊はできますか?
はい、バンゾック滝周辺にも宿泊施設はあります。滝のすぐ近くには、比較的設備の整ったリゾートホテルやゲストハウスがいくつか存在します。
ただし、前述の通り国境管理区域のため、外国人旅行者が滝付近のホテルに宿泊する際には特別な許可証が必要です。
個人で滝周辺の宿泊施設を予約する際は、必ず宿泊許可証の要否と取得方法を事前に確認し、トラブルを避けるようにしましょう。
まとめ:バンゾック滝ツアーで最高のベトナム体験を

ベトナム北部の秘境「バンゾック滝」は、中国との国境にまたがるアジア最大級の絶景です。ツアーでは壮大な滝の迫力はもちろん、神秘的なグオムガオ鍾乳洞、ベトナム最大のバベ湖、少数民族との出会いなど、周辺の必見スポットも巡ります。
個人でのアクセスが困難なこの地も、ツアーなら移動や宿泊の心配なく、効率的かつ安全に満喫できます。ベトナムにお越しの際は、ぜひバンゾック滝へのツアーを利用し、手付かずの大自然に触れてください。