ベトナム北部に位置するサパは、壮大な棚田の風景、多様な少数民族文化が息づく秘境です。その独特の魅力から、近年多くの旅行者を惹きつけています。
サパは個人で訪れるのも良いですが、サパの魅力を最大限に体験するには現地ツアーの利用がおすすめです。
ここではサパの基本情報から、目的別のおすすめツアー、さらには参加する上での注意点まで詳しく紹介します。これからサパへの旅行を検討している方はぜひ参考にしてください。
なぜサパの現地ツアーがおすすめなの?

サパを訪れるなら、現地ツアーの利用がおすすめです。個人で手配すると、ハノイからの交通手段やサパでの移動、宿泊先、アクティビティの手配など、何かと手間がかかります。しかし現地ツアーならこれら全てがセットになっているため、とても楽でお得です。
また、リーズナブルな価格設定も魅力です。交通費や宿泊費がまとめて含まれているプランが多く、個別に手配するよりもお得になるケースも少なくありません。
サパのツアーにはトレッキング、少数民族との交流、壮大な棚田巡りなど、多様なニーズに対応したツアーが豊富にあります。あなたの旅の目的にぴったりのプランがきっと見つかるはずです。
サパってどんなところ?知っておきたい基本情報
サパは、ベトナムの首都ハノイから北西へ約300kmの場所にあります。
サパは、険しい山々の斜面に広がる壮大な棚田が魅力です。季節ごとに色を変えるその景色は、訪れる人々を深く惹きつけます。
さらに、ここにはモン族やザオ族をはじめとする多様な少数民族が暮らしています。彼らの伝統的な衣装や生活様式、独特の言語や文化が今も大切に受け継がれています。まずは、そんなサパの基本的な情報をご紹介しましょう。
ベトナム サパの観光スポット25選!少数民族と美しい棚田を見に行こう
サパへのアクセス方法
サパへ行くには、ベトナムの首都ハノイを拠点にするのが一般的です。
ハノイからサパへ行くには、寝台列車や高速バスに乗って移動します。しかし最もおススメなのは、サパ行きのツアーを利用して、滞在しているホテルのエリアからサパへ真っすぐアクセスすることです。
ツアー料金には往復シャトルバスが含まれており、現地でのツアーも楽しめます。ハノイからサパへの移動時間はおよそ5~6時間です。
ハノイからサパへ「高速バス」で行く
個人的にハノイからサパへ移動するなら、高速バスの利用がおすすめです。近年できた高速道路の開通により、直行バスの所要時間が大幅に短縮されました。
出発地 | ハノイ市内 |
目的地 | サパ(多くのバスはサパ中心部まで直行) |
移動手段 | バス(直行または経由) |
所要時間 | 約5~6時間(高速道路利用時) |
人気バス会社 | ・Sapa Express(快適な座席とサービス)・Inter Bus Line(信頼性高め) |
チケット購入 | オンライン予約サイト、旅行代理店 |
ハノイ市内にはサパ行きのバスが多数運行しており、近年快適なシートを用意する高級なバスも増えています。
多くのバス会社は、オンラインでの予約が可能です。ただし日本語で予約ができるケースはまだ少ないため、言葉に自信のない方はやはり移動も含まれたツアーを利用するのが安心です。
ハノイからサパへ「寝台列車」で行く
ハノイからサパへ向かうには、寝台列車の旅も選択肢の一つです。ただし、サパには駅がないため、列車はハノイから北へ約300km離れたラオカイ駅まで運行しています。ラオカイ駅からサパへは、バスやタクシーに乗り換えて約1時間です。
項目 | 内容 |
出発地 | ハノイ駅 |
目的地 | サパ(※サパには鉄道が通っていないため、最寄りのラオカイ駅まで列車で移動) |
移動手段① | 寝台列車(ハノイ駅 → ラオカイ駅) |
移動手段② | バスまたはタクシー(ラオカイ駅 → サパ、約1時間) |
所要時間 | 約8~9時間(ハノイ → ラオカイ)、+ 約1時間(ラオカイ → サパ) |
観光列車の一例 | Victoria Express、Sapaly Express(豪華・観光客向け) |
列車での長距離移動も、風情ある旅として楽しめます。しかし予約は英語やベトナム語での入力が必要なので、やはり慣れていない方はツアーの利用がおすすめです。
より詳しいサパへのアクセス方法は、以下を参考にしてください。
サパ行き方ガイド|ハノイからのバス・鉄道・ツアー徹底比較&日本からのアクセス方法も紹介!
ベストシーズンはいつ?

サパ観光に最適な時期は、主に「春(3月~5月)」と「秋(9月~11月)」です。
春は暖かく、色とりどりの花が咲き乱れます。また棚田に水が張られ始めるため、幻想的な景色が広がります。トレッキングにもうってつけの季節です。
一方、秋には棚田が黄金色に染まり、絵画のような絶景が楽しめます。涼しい気候は、やはりトレッキングなどのアクティビティに最適です。
その一方、夏(6月~8月)は雨が多く、冬(12月~2月)は厳しい寒さと霧が発生しやすいことから、観光にはあまり向いていません。
服装や持ち物は?
サパを訪れる際には上着を1枚用意しましょう。
サパはベトナムの中では珍しく、季節の中に冬があります。12月~2月はかなり寒さが厳しくなるため、厚手の防寒着や手袋があると安心です。
特に山間部では気温が0度を下回ることもあるので注意しましょう。その他の季節でも朝晩は冷えるので、薄手のダウンなどがあれば安心です。
また、サパの旅では靴選びが重要です。
距離を歩くなら滑りにくいトレッキングシューズを、一般的な観光なら履き慣れたスニーカーで行きましょう。また急な雨に備えて折りたたみ傘やレインコートは必須です。さらにジャングルに近いので、虫除け、万が一のために常備薬もあると安心です。
少数民族の村ではカードが使えない場合もあるため、少額の現金と、スマホやカメラのためのモバイルバッテリーも持っていくと良いでしょう。
ベトナム旅行に関する詳しい持ち物については、ぜひ以下の記事も参考にしてください
ベトナム旅行の持ち物30選!必需品からあったら便利な道具まで徹底解説!
【タイプ別】サパ現地ツアーおすすめ5選!
さっそくここからは、サパでの人気ツアー5選を紹介します。内容や料金はツアー会社によって異なりますが、サパへのツアーを検討しているならぜひ参考にしてください。
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1. 棚田&少数民族村トレッキングツアー

サパ周辺のラオチャイ村・タヴァン村・カットカット村などを巡り、棚田や少数民族(主に黒モン族・ザイ族)の生活を体験できるツアーです。
ガイドの案内で棚田の中をトレッキングし、日本にはない景色を楽しめます。村では昔ながらの家屋が立ち並び、伝統的な衣装を身につけた人々が温かく迎えてくれるでしょう。
少数民族の畑仕事の様子や、伝統的な刺繍製品を作る手仕事など、日常生活を間近で見学できます。
平均価格 | 日帰りツアー:約10,000円2日間ホームステイ付き:約10,000~20,000円 |
見どころ | 絶景棚田、地元の家での食事体験、民族衣装や伝統文化の紹介 |
タイムスケジュール一例 | 9:00 サパ発、トレッキング開始 12:00 村で昼食 15:00 別の村を訪問 17:00 サパ帰着またはホームステイ先へ |
2. ファンシーパン山ロープウェイ&登頂ツアー

ベトナム最高峰(3,143m)のファンシーパン山へロープウェイで登り、山頂からの絶景を楽しめるツアーです。
ファンシーパン山は「インドシナの屋根」とも称され、その頂からの眺めはまさに圧巻です。昔は登山でしか登れなかった山ですが、このツアーでは2016年に開通した最新のロープウェイを利用して、雄大な山頂を目指します。
体力に自信がない方でも気軽にベトナム最高峰からの眺めを楽しめるツアーです。
平均価格 | ガイド付きツアー:6,000円~ |
見どころ | 棚田のパノラマ、雲海、山岳仏教寺院など |
タイムスケジュール一例 | 10:30 ロープウェイ乗車「ファンシーパン駅」〜「ファンシーパン山頂」ケーブルカーに乗り換え11:00 山頂到着・散策 13:00 サパ帰着 |
3. 少数民族の村&滝ツアー

サパには「ラブ・ウォーターフォール」や「シルバー・ウォーターフォール」といった美しい滝もあります。それらの滝と少数民族の村を巡るツアーです。
このツアーでは、トレッキング中に地元の人々と交流できる機会もあります。時にはピクニックランチを地元の人々と一緒に囲むこともでき、より彼らの暮らしに触れることができるでしょう。自然の美しさと少数民族文化の魅力を一度に味わえる、充実したです。
平均価格 | 1日ツアーで約10,000円~ |
見どころ | サパ周辺の村や滝(シルバーフォールズ等)を巡る |
タイムスケジュール一例 | 8:30 サパ出発 10:00 バンコアン村・タジャンフィン谷 12:00 昼食 14:00 滝・タフィン村 16:30 サパ帰着 |
4. サパ1日トレッキングツアー
サパの豊かな自然を満喫したい方におすすめなのが、日帰りトレッキングツアーです。
壮大な棚田や山々の景色を眺めながら、少数民族が住む村々を効率よく巡ります。専属ガイドは少数民族の方であることが多いです。
美しい風景の中を歩いた後は、地元で用意された美味しいランチが待っています。短時間でもサパの魅力を存分に体験できる、充実した一日になるでしょう。
平均価格 | 4,000円~ |
見どころ | 見晴らしの良いエリアのトレッキング、棚田の景色 |
タイムスケジュール一例 | 8:30 サパ出発 10:00 バンコアン村・タジャンフィン谷 12:00 昼食 14:00 滝エリア、タフィン村など 16:30 サパ帰着 |
5. サパ市場&街歩き半日ツアー

サパ湖の北側にあるサパ市場には、民族衣装や手作りの民芸品、新鮮な野菜や果物に出会えます。そんなサパ市場を中心に、サパの街並みを満喫できるツアーです。
町のランドマークとも呼ばれるサパ教会をはじめ、歴史的な雰囲気を感じながら、写真撮影を楽しめるスポットが満載です。トレッキングはちょっと自信がないといった方にもおススメのツアーです。
平均価格 | ガイド付き半日ツアーで約3,000~ |
見どころ | 地元食材や民芸品、サパ湖、フランス植民地時代の建築など |
タイムスケジュール一例 | 9:00 サパ市場集合 10:00 市場・教会・カフェ巡り 12:00 解散 |
このほかにもあるサパのツアー
世界中から観光客が訪れるサパには、「サパ・トラベルメイド」という現地ツアーオフィスがあります。ここには、赤ザオ族やモン族など約15人の地元ガイドが在籍しており、彼らの知識と経験を活かした質の高いツアーが魅力です。
現地では日帰りから1週間以上の長期滞在に対応する豊富なプランがあります。中でも人気なのは、少数民族の村で彼らの生活を体験できるホームステイツアー(1泊または2泊)や、自然の中を巡る自転車ツアーなどです。
さらに、セオチュア、チュンチャイ、モンセンといった山深い少数民族の居住エリアや広大な棚田をじっくりと歩く、1日トレッキングツアーも話題です。ただしこれらのツアーはかなり歩くため、体力に自信のある人だけ参加しましょう。
サパ現地ツアー参加時の注意点

サパの現地ツアーを安全に、そして快適に楽しむためには、いくつかの注意点があります。
特にサパは標高も高いため、無理をしてツアーに参加することは避けましょう。ここからは、ツアー参加時における注意点やポイントを紹介します。
トレッキングツアーは体力がある人向き
サパのトレッキングツアーには体力が必要です。山道は舗装されていない場所が多く、足元が滑りやすかったり、急な坂道が続くことも珍しくありません。
ツアーによっては数時間から半日以上歩くコースもあり、普段運動をしていない方にはかなりの負担になります。事前にツアー内容の距離や高低差を確認し、ご自身の体力レベルに合ったものを選びましょう。
無理をして参加すると、途中で体調を崩したり、翌日に疲れが残り観光を楽しめなくなることもあります。事前にウォーキングなどで体を慣らしておくことも大切です。
チップが必要なケースは多い
ベトナムには基本的にチップの習慣はありませんが、サパの現地ツアーにおいてはチップが必要なケースも多いです。
特にトレッキングツアーなどで少数民族のガイドやポーターが同行する場合に渡すことは多いです。民族ガイドはツアーを通して観光客の安全を確保し、サパの文化や自然について詳しく教えてくれます。
ツアー料金にはチップが含まれていないことがほとんどなので、感謝の気持ちとしてチップを渡しましょう。
相場はツアーの種類や満足度によって異なりますが、目安として受けたサービス料金の10%ほどを渡しましょう。小額紙幣を事前に用意しておくとスムーズです。
押し売りには断る勇気も
サパの観光地、特に少数民族の村やトレッキングルートでは、地元の少数民族の人々がお土産品を販売することがあります。
中には、歩いている間ずっと同行して話しかけ、最終的に商品を購入するよう促されるケースもあります。また現地の子どもから買ってほしいとせがまれる事例もあるようです。
しかし興味がないものや必要ないと感じた場合は、きっぱりと断る勇気も必要です。曖昧な態度をとると、なかなか立ち去ってくれないことがあります。
「No, thank you」と笑顔で伝えたり、最初からアイコンタクトを避けるなど、状況に応じた対応を心がけましょう。
ベトナム サパ:外せない観光名所6選を紹介
サパは美しい棚田や少数民族との出会いが人気ですが、それ以外にもぜひ訪れてほしい観光名所がたくさんあります。
日帰りでさっと立ち寄れるスポットが多いため、サパを訪れた際にはぜひ以下の名所も観光してください。
サンワールド・ファンシーパン・レジェンド

ベトナム最高峰のファンシーパン山(3,143m)への拠点となるのが、この「サンワールド・ファンシーパン・レジェンド」です。
ここからは最新のロープウェイに乗り、壮大な山々や雲海の絶景を空中から楽しめます。山頂には、大仏や仏塔が立つ神聖なエリアが広がり、高所からのパノラマビューはまさに圧巻。
天候が良ければ、息をのむような眺望が広がり、「インドシナの屋根」からの景色は忘れられない思い出となるでしょう。
ラブ・ウォーターフォール(ティンイェウ滝)

「恋人の滝」としても知られるラブ・ウォーターフォールは、サパの美しい自然の中にひっそりと佇む神秘的な滝です。
その名の通り、ロマンチックな伝説が語り継がれており、多くのカップルや観光客が訪れます。ファンシーパン山の麓に位置し、豊かな緑に囲まれた道を歩くと、高さ約100mから流れ落ちる壮大な滝の姿が望めます。
透き通るような水と周辺の森が織りなす景色は圧巻、自然のエネルギーを感じられるパワースポットとしても人気です。
シルバー・ウォーターフォール(バック滝)
サパからラブ・ウォーターフォールへ行く途中にあるのが、迫力満点のシルバー・ウォーターフォール、別名「バック滝」です。国道沿いに位置するためアクセスも良く、気軽に立ち寄れる人気のスポットとなっています。
その名の通り、銀糸のように白く輝く水が岩肌を勢いよく流れる様子はまさに壮観です。特に雨量が多い時期には一層力強い水しぶきとなり、その轟音とともに自然の力強さを体感できます。
滝の近くまで遊歩道が整備されており、階段を登って滝付近を散策することも可能です。
サパ市場

サパ湖の北側に位置するサパ市場は、地元の少数民族の生活が垣間見える、活気あふれる場所です。
モン族やザオ族の人々が、手作りの民族衣装や刺繍製品を販売しています。また採れたての新鮮な野菜や果物、香辛料などを持ち寄り、賑やかに売買する様子も見られます。
色鮮やかな商品と、少数民族独特の衣装をまとった人々の姿は、まさに絵になる光景です。
押し売りが多いので注意が必要ですが、お土産探しにはピッタリの場所です。
サパ教会
サパの町の中心に堂々と立つサパ教会は、1920年のフランス植民地時代に建てられた歴史あるカトリック教会です。
ゴシック様式の美しい石造りの建物は、まるでヨーロッパの田舎町にいるかのような雰囲気を醸し出しています。
町のランドマークとしても親しまれており、週末になると少数民族の人々が集まり、「恋人市場」と呼ばれる交流の場が開催されます。通常は閉鎖されており中に入ることはできませんが、ミサの時間には誰でも中に入ることができます。厳かな雰囲気の中で、ぜひその空間を体験してみてください。
ハムロン丘

サパの町の東側に位置するハムロン丘は、サパの町並みや壮大な棚田、そして遠くファンシーパン山まで見渡せる絶好のビューポイントです。
丘の頂上までは整備された階段や遊歩道を登っていきます。その途中には美しい庭園や蘭園、少数民族の伝統的な家屋を模した展示などがあり、飽きることなく散策できるでしょう。
特に晴れた日には広大な景色が広がり、サパの自然を肌で感じられます。写真愛好家にも人気のスポットなので、サパの美しい景色を見たい方は必見です。
ベトナム サパの観光スポット25選!少数民族と美しい棚田を見に行こう
サパ現地ツアー:まとめ

ベトナム北部の秘境サパは、壮大な棚田と多様な少数民族文化が魅力です。
効率的な移動や手配、そして現地ガイドのサポートを考えると、サパを最大限に楽しむには現地ツアーの利用が最適です。トレッキングで絶景を堪能したり、少数民族の村で文化体験をしたりと、目的に合わせたツアーを選びましょう。
サパの現地ツアーはそこでしかない景色や経験が満載で、ベトナム旅行の中でも特に印象深い思い出となるでしょう。ぜひ現地ツアーを利用し、忘れられないサパの旅を実現しましょう。